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エンジン系:連載企画 HKS製 :F-conS  安心 ECUチューニング
 
公開セッティング!!  【 第2話 】
 ▼ オフ会での公開セッティング
   
 
 「 リスク 」 と 「 安全 」 と 「 パワー 」 のバランスを上手く取って、安心して乗れるチューンドカーを
 作ることを目的として始まった HKS 製 F-conS 連載企画!
 
 ともかく無理矢理パワーを上げるようなセッティングを避けて、エンジンにとって
 ベストコンディションな状態にしてやる事で、まずはいったいどれくらいパワーが出るのだろうか?
 
 クルマを色々といじって行くと、ノーマルECUで大丈夫? なんて疑問も多いと思うし、
 ECUもチューニングすればパワーが上がるので、クルマの消耗度も気になる所だ。
 
 まあ、なにもやらずして 「 机上の空論 」 を唱えてみたところで無意味だと思うのと、
 実際にやって体験・体感して初めて判ることも多いからね。
 ってゆーワケで、「 実証して語る 」 のが、我が IMPREZA-NET のやり方だ! (笑)
 
 しかし、誰も見てない所でコソコソとやったって、何の信憑性も無いだろうし、
 大勢の証人となる方々の目の前でやってこそ、本当の意味で実証したと言えると思う。
 
 そこで今回の公開セッティングを思いついたワケだ! (笑)
 
 さて、ある意味とっても無謀なこの企画に挑戦してくれたは、過去にも技術力の
 レベルの高さで記事にも書いた 「 スーパーオートバックス・熊谷店 」。
 
  ※ 詳しい記事は、「 パワーチェックに行こうぜ! Part.2 」 をご覧下さい。
 
 大勢の目の前で実演して、しかもそれをインターネットの記事として載せて、
 日本全国に知れ渡っちゃうワケだから、当然失敗なんて許されないし、
 かなりの技術力と自信が無ければ、この挑戦を受けられないだろう!

 
 
 ▼ 現車あわせは、詳細なデータこそが命!
   
 
 今回おこなった公開セッティングは、いわゆる 「 現車あわせ 」 と呼ぶモノ。
 つまり、実際にクルマに合わせて細かな微調整を行って、チューニングするワケだ。
 
 そして、この 「 現車あわせ 」 に重要な要素は、そのクルマのコンディションを
 知るための詳細なデータだ。
 
 この詳細データを収集しながら、最も論理的、かつ、理想的、そして確実に
 セッティングが行えるのは、現存するセッティング方法の中ではダイノパック式の
 シャーシダイナモを使ってのセッティングだと思います。
 
 そのダイノパック式のシャーシダイナモがあるのが、スーパーオートバックス熊谷店。
 
 このように、最強のセッティング設備を持つスーパーオートバックス熊谷店だからこそ、
 挑戦できるのだと言えるでしょう!
 
 
 ▼ では本題のセッティングを開始!
 
 【 セッティング開始前 ・ ノーマルECUの空燃比 】
 
 
 では早速、本題であるセッティングに入って行きましょう。
 
 上のグラフは、ノーマルECUの時の空燃比グラフです。( 右側のグラフ )
 計測結果は、メチャメチャ濃いです。(^^;; ヒヤアセ
 
  ※ グラフは上に行くほど薄く、下に行くほど空燃比が濃い。
 
  ※ 上のグラフでは、計測範囲の10.0を超えて、メチャ濃い状態(笑)
  
 無論、この濃いめのセッティングがノーマルECUの安全マージン部分である事は
 言うまでもないですね。
 
 しかし、エンジンの健康にとっては、決して良い状態とは言えないのが事実です。(^^ゞポリポリ
 
 
 
 【 セッティング開始 ・ ブースト圧 0.6〜7 での空燃比 】
 
 
 まず、ブースト制御無し状態( ブーストコントローラーOFF ) で基本セッティング。
 
 ノーマルの状態では、濃すぎるので、安全マージンを充分に残しながらも
 エンジンにとってベストな空燃比へと変更してやります。
 
 逆に、ノーマルECUは点火時期が早く、パワーを上げて行くとノッキングの危険性がありますので
 点火時期の進角を遅らせて安全性を格段に向上させてやります。
 
 進角を遅らせると、MAX パワーは落ちますが、安全性が高くなるのと、
 低回転域のピックアップがよくなり、フィーリング的にも乗りやすさがアップします。
 
 燃調はエンジンの望む濃さに、点火タイミングは安全性優先で遅らせる。
 これがどうやら、 ” ECU安心チューニング ” のキモのようですね!
 
 
 
 【 ブースト圧 0.8 】
 
 
 ■ 最高出力 276.4 PS   最大トルク 32.5 Kg/m
 

 ブースト圧を徐々にかけ始め、燃調・点火タイミングの微調整を繰り返します。
 
 コンマ1ずつブースト圧を上げながら、燃調マップを調整して行くのは大変な作業です。
 一般的なショップの燃調セッティングでは、ここまで細かくやりません。
 
 ってゆーか、ダイノパック式シャーシダイナモで細かくデータ取りしなければ、
 ここまで細かく調整して行くことは不可能でしょう。(^^;;
 
 その結果として、GDB的にはブーストがあまりかかってない 0.8 で、
 カタログスペック値に迫る 276.4 PS も出ちゃうワケです。(笑)
 
 
 
 【 ブースト圧 0.9 】
 
 
 ■ 最高出力 303.4 PS   最大トルク 34.5 Kg/m
 
 ブースト圧 0.9 で、300馬力オーバー (^^;; ヒヤアセ
 
 いったいこの先、どーなっちゃうの?! って感じですよね(爆)
 
 
 
 
【 ブースト圧 1.0 】
 
 
 ■ 最高出力 317.1 PS   最大トルク 38.1 Kg/m
 
 さすがにブースト圧 1.0 だと、グイッとパワーが乗ってきますね。
 
 この時点で、S202のカタログスペック( 320PS )と同等なのは凄いっす!!(笑)
 
 安全性アップのために点火時期はノーマルよりも遅くセットし、
 S202のブースト1.3より低い1.0で、この数値が出れば文句ないですよ!
 
 グラフ曲線がややきついカーブとなってきましたので、更に微調整を加えて次の1.1へ!
 
 
 
 【 ブースト圧 1.1 】
 
 
 ■ 最高出力 335.4 PS   最大トルク 39.7 Kg/m
 
 ブースト圧 1.1 で、335 PS は、圧巻ですね〜!! (;^_^A アセアセ
 
 トルクも太くなってイイ感じです!!
 
 フロントパイプ交換無し & 純正形状のエアクリ で、ここまで出せるとは驚きです!!!
 
 ただし、エアフロ容量的にはこれが限度のようです。
 エアフロ信号がMAX になっているので、これ以上のパワーを出すのなら
 エアクリ形状を変えるか、大容量エアフロに交換するしかないようです。
 
 
 
 【 ブースト圧 1.2 】
 
 
 ■ 最高出力 334.3 PS   最大トルク 40.7 Kg/m
 
 エアフロ信号が限界まで来ているので、ここから先は安全性優先で、
 これ以上は無理にマップを書き足さず、マップのつながりを微調整。
 
 ブースト圧 1.1の時よりもパワーは約1馬力ほど低くなりましたが、
 この削った分で全体に余力を持たせています。
 
 これにより、パワーカーブもトルクカーブも、とても滑らかな曲線になりました。
 
 大事なのは無理矢理パワーを絞り出す事ではなく、エンジンのコンディションを良くする事が
 目的であり、それによって安心感を得るためのセッティングですからね(笑)
 
 
 ▼ 総 評
 
 ECUチューニングを行う前の今までだって、決して乗りにくいと思った事は無かったし、
 どちらかと言えば、ハイパワーでもとても乗りやすいクルマだと思ってました。
 
 しかし!!
 
 ECUチューニングを行った後のほうが、格段に乗りやすく扱いやすいです!!
 
 「 チューニング = 気難しいエンジンになる 」 と思いがちですが、
 無理にパワーを出すようなチューニングを避けて、エンジンにとって
 最も良いコンディションにしてやる事で、パワーを出しながらも
 とても素直で扱いやすい性格へと生まれ変わったようです!!
 
 まず、なんと言ってもトルクがメチャ太くなったおかげで、ギヤのつながりがスムーズ。
 パワーが出ていても、ギクシャクしないで済むので、かえってこのほうがミッションには
 良さそうに感じてしまうぐらいですね(笑)。
 
 パワーのピックアップが良く、リニアで素直。 街乗りがとてもラクになりました。
 それでいて、ひとたびアクセルをガバッと踏んでやれば、恐ろしいぐらいの加速力!
 
 あえて例えるとすれば、” 王者の風格 ”
とでも言いますか、
 どっしりとした安心感と、凶暴なまでのパワーを合わせ持つ理想的な仕様です。
 
 決してカリカリのチューニングではなく、余力を残して 335PS も叩き出し、
 そしてエンジンのコンディション優先の燃調セッティングは、燃費も良くなる事でしょう。
 もう、文句無しの仕様です!!
 
 無論、ノーマルよりもパワーが出ている事で、オイル交換や消耗品等のメンテナンスは
 今まで以上に大事になってきますし、駆動系の点検もしっかり行うことが必須となりますが、
 もともとインプレッサはメーカー製チューンドカーと呼ばれていますので、普通の乗用車よりも
 このあたりのメンテナンスはガッチリとやらなければいけない事なので、さして苦労は
 増えないでしょう。(笑) (^^ゞポリポリ
 
 どちらかと言えば、エンジンをベストコンディションにした事で、点火プラグやオイルの汚れ、
 スラッジの発生、排気系の詰まりなどを抑制し、総合的に健康状態を維持しやすくなったと
 思います。 乗ったフィーリングに加え、このあたりも ” 安心して乗れる ” ようになったワケです。
 
 
 
 では最後に、今回の公開セッティングに挑戦して頂いた2人の勇姿を
 再度ご紹介しておきましょう。
 
   
 
  写真 : 左  スーパーオートバックス 熊谷店  堀川さん
 
  写真 : 右  ティー・ゲット社  境さん
 
  多くのギャラリーの見ている中で、そしてインターネットで公開する事にも憶する事無く、
  堂々と約335馬力と言う驚くべき数値を叩き出してくれました!!
 
  しかも、エンジンに無理をさせて出したパワーではなく、エンジンが望むベストな状態へと
  巧みに導いた結果なのです!!
 
  これは、エンジンの本質やチューニングの極意を知り尽くした者だけが成し得る
  本物のチューニングと言って過言ではないでしょう!
 
  まさに、真面目で正直、ユーザーフレンドリーな、チューナーさん達です。

  ご協力頂き、ありがとうございました。m(._.)m ペコッ


 
【 お知らせ 】
 
 
  今回おこなった ” ECUチューニング・データ ” をもとにした、
 
   
HKS 製 F−conS ” IMPREZA-NET 仕様 ”
 
  が、スーパーオートバックス熊谷店で販売されることになりました!
 
  公開セッティングデータをもとに、現車あわせで同等の特性をGET出来ます!!
 
  遠方にお住まいの方でも、私のGDBと似たような仕様であれば、
  ポン付けでもある程度は性能を発揮出来ると思います!
  ( 工場出荷時データで乗るよりも遥かに安心でしょう(笑)  )
 
 
  また、すでに F−con シリーズを装着されている方や、他の パワーFC なども、
  現車あわせで 「 安心して乗れる IMPREZA-NET 仕様 」 のセッティングを
  行うことも可能だそうです。
 
  
   → お問い合せ先 : スーパーオートバックス 熊谷店   担当 ・ 堀川さん
 
                                TEL 048−527−6855
 
  ECUチューニング以外でも、堀川さんを捕まえて 「 IMPREZA-NET を見た! 」 と言って
  色々と話を聞いてみるのも良いでしょう。
 
  スバルの聖地・群馬県太田市のすぐそばにあるこのお店だからこそ、
  スバル車の来店数も非常に多く、様々な情報を持っていますよ!!
 
 
 
 
 
 
 
   IMPREZA-NET(インプレッサ ネット)