パラグライダー世界選手権 & PWC レポート

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 ■ 記事No.05012 世界選手権編12

    <6月28日> 飛べはしたものの・・・。
    タスクも設定され、スタートもし、日本チームは最高のポジションで
    競技を進めていたが、突然、タスク・ストップ!!
    (タスク・ストップとは、今年から採用されたルールで、
    オーガナイザーが危険と判断した時に、レースの“ストップ”が宣言され、
    その時刻のポジション(GPSデータを採用)が、そのままその日の順位となります。
    勿論、ゴールしている人がいれば、タイムの短い方が、1番という事になります。)

    ■タスク (競技内容:通過すべきチェックポイントと順番)

     ターンポイント名           標高    備考
     -----------------------------------------------------------------
     ・D01 280  TO1           2800m   (飛び立つ所)
     ・B33 200  13.5km 地点 家      2000m
     ・B41 113  36km 地点 教会      1130m
     ・DO2 210  25km 地点 TO2      2100m
     ・D01 280  6.9km 地点 ゴール(TO1)  2800m   (着陸する所)
     -----------------------------------------------------------------

    地図参照  ※拡大表示はここをクリック

    画像の上=北、下=南、左=西、右=東、です。

    ゴール・レース,スタート・ライン10km
    合計82.1km, min(競技成立最低距離)10km
    Window open 14:30

    ※ターンポイント名の、前3文字は名前(ターンポイントNo.),
     後ろ3文字は、標高(×10m)を表しています。___は未計測。

    <結果速報 個人>
    タスクストップに関するクレームが出たため、成績発表が遅れています。

    <結果速報 個人総合>
    タスクストップに関するクレームが出たため、成績発表が遅れています。

    <詳細レポート>
    大会7日目、昨日と同様に快晴で渋そうですが、風向きは最初から
    北東風の予報が出ています。ただし、弱いという予報なので競技はできそうです。
    でも、昨日の事もあるし、予報が当たるかどうか・・・!?

    テイクオフは一番高い所DO1(2800m)を使用する事になりました。
    でも、予報に反して北東風は比較的強めで、やな予感がします。それでも、
    ダミーの上がりは予想に反して良く、13:30にはタスクが発表されます。

     ※ダミー....競技を開始する前に、オーガナイザー(競技の主催者)が、
             コンディションを調べるためのパラグライダーを飛ばします。
             これをダミーと言います

    日本チームは、昨日の失敗を挽回すべく、綿密な打ち合わせを行い、


    Window open 直前、一気にコンセントレーションを高め、


    Window open 直後、一番最初にテイクオフしました。
    雲底は、3600m程度。標高2000mにある風下のB33を撮りに行くには、
    チョット低すぎます。大丈夫かな!?

    えっ? なぜ、危険か?って。
    東西に伸びる山脈の高さは、3000m以上あります。B33はその東の外れ、
    という事は、この山頂付近を皆飛んでいきます。
    という事は、3600m上げたといっても、地面までは600mも無いのです。
    行きは良いとしても、帰りは向かい風で、リーサイド、と来れば、当然、
    風は乱れています。対地高度がなければ、何かあった場合に、回復操作を
    している余裕が無いのです。それはつまり、いつもランディング体制で
    飛んでいる事と同じになるのです。

     ※リーサイド....風が当たらない側、物陰。
               通常は、山の風が当たっている側に上昇気流が発生し、
               反対側は、丁度鳴門の渦のような乱気流が発生します。
               しかし、時として、反対側にも上昇気流が発生します

     ※ランディング....着陸すること

    案の定、行きは良かったものの、帰りは、皆、四苦八苦!!
    対地高度10mを切る事も、しばしば。こんな山の天辺に降りたくね〜。
    何とか、テイクオフがある尾根に辿り着く事に成功し、
    さあ、これから今日のレースの山場に差し掛かるという時に、
    突然、無線で、タスク・ストップのアナウンスが入りました。

    えっ、なんで!? これからという時に・・・?
    選手が次々と翼端折をしてTO1に降ります。
    何か、釈然としないものが残りましたが、仕方ないので、
    降ろす事にしました。

    やはり、後になって、このタスク・ストップが物議をかもしだします。
    ストップをするなら、なぜ、最も危険なB33付近を飛ぶ以前に
    しなかったのか? いったい、何時の時点がストップだったのか?
    等々、各国の思惑が錯綜します。いったいどうなる事やらと
    思っていたら、とりあえずキャンセルという事で落ち着きました。

    ・・・、きっと明日またもめるぞ・・・。
    やっぱり、もめて、結局、採用(Valid)という事になったようです。

    <つづく>

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    <ワールド・エアー・ゲームのホームページ> http://www.wag2001.org
    ワールド・エアー・ゲーム(空のオリンピック)の公式ホームページです。
    全ての競技のスケジュールからニュース、結果が見れます。
    勿論、パラグライダー世界選手権のホームページにもリンクが貼られています。

    <DRACOのホームページ> http://www.draconexion.com
    シェラネバダ山脈のパラグライダー・クラブの一つで、
    大会のオーガナイザーをしています。当然、大会の結果報告や
    ニュースを逐次アップしています。

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