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今や必須の ECU チューニングについて
 
サブコン・フルコンのホントのところ
 

サブコン・フルコンのホントのところ
今や必須の ECU チューニングについて


近年の車両はエアクリ交換やマフラー交換など少しいじっただけで、エンジンチェックランプが点灯してしまう事があります。
もちろん点灯しなかったとしても純正パーツとは違った特性を持つ社外パーツを付ける事で、純正 ECU の守備範囲では制御がつらくなりエンジンにダメージを与えてしまう可能性もあります。
そういった関係上、今や必須と言われている ECU チューニング。
今回はその中でも 「 サブコン 」 と 「 フルコン 」 についてのホントのところのお話です。


サブコン、フルコンの代表格と言えば、HKS 社の F-con シリーズであるのは誰もが認める事でしょう。
純正 ECU の機能はそのままに、燃調や点火時期の制御信号だけをオーバーライドして純正 ECU とは違った制御を行うのが 「 サブコン 」 。
純正 ECU は不要、または、ECU の一部の機能( イモビとか )だけ残して基本的には外部の後付け機器のみで燃調や点火時期を制御するのが 「 フルコン 」 です。


サブコンのベストセラー商品としては、HKS 製 F-con iS シリーズです。
私も過去に何度か自分の WRX-STI に搭載した事があります。
純正 ECU とそこに繋ぐ純正ハーネスの間に割り込ませて取り付けるのがサブコンの特長で、ハーネスを元通りに純正 ECU に差し直せばいつでも純正に戻せるのが良いところ。

大昔のサブコンだと純正 ECU の 「 自己学習 」 によって、サブコンで行ったセッティングがズレてしまう欠点がありましたが、今では、自己学習を無効化させたり、自己学習を取り入れるサブコンも登場。
純正 ECU をベースとしているため、四季の気候の変化や高所での気圧変化などもある程度データを追従させる事が可能で、ノーマルと同様の乗りやすさを得る事も出来ます。

ただし、それが最大の長所でもあり、欠点でもあるのがサブコンの宿命です。
純正 ECU には、パワーやトルクを出すよりも、エコに働く傾向がありますし、過剰にエンジン保護を行おうとするのは言うまでも無いところ。
そういった特性がベースとなっている以上、おのずと限界・限度というものがあるのです。
また、幅広い優れた環境追従特性と引き換えに、どうしてもピンポイントでのセッティングが出しにくいのが実情と言えるでしょう。
本当のパワーやトルクを引き出すという事に関しては、フルコンに一歩も二歩も及びません。

無論、ノーマル状態と比べれば、サブコンで充分なほどにパワーもトルクも引き出せます。
EJ20 ベースで 400馬力オーバーだって普通に狙える事でしょう。
現車合わせのセッティングにてデータを問題無く適正化させれば、程よく安全性をキープしながらハイパワーを楽しめるクルマにするための強烈なツールであるのは間違いありません。

つまり、純正 ECU の良い部分を上手く利用しながらパワーやトルクを引き出していくのがサブコンのスタイルです。



フルコンのベストセラーは何と言っても HKS 製 F-con V-pro です。
基本的には純正 ECU が無くても燃調や点火時期のコントロールが可能な独立したユニットになります。
しかし、先にも書きましたように近年の車両では ECU にイモビや電子スロットルの制御など、いろいろな機能が含まれています。
これらの機能を保持したままチューニングを行うには、純正 ECU を残したまま、燃調や点火時期コントロール等をフルコン側で行うスタイルが一般的。

例えば、WRX-STI の場合だと、イモビ関連や SI-DRIVE を含む電子スロットル関連、可変バルタイなどを純正 ECU に制御させます。
速度リミッターの解除や、電子スロットル・可変バルタイの調整は、フラッシュエディターを併用して純正 ECU の中身を書き換えてチューニング。
燃調と点火時期はフルコンによって 「 無駄なく純粋にパワーとトルクを引き出す 」 ためだけのセッティングが可能です。

それと、ノックセンサーやワイドバンド A/F 計との連動で自己学習が可能なのもフルコンの最大の強みでしょう。
無駄なく純粋にパワーとトルクを引き出しつつ、低回転から高回転域までの全域において状況の変化に追従し自らデータを補正し最適化して行きます。

サブコンのような純正 ECU ベースの余計な制御が介在しないのがフルコンの良さで、ここがサブコンとの大きな違いです。
そのため 同じエンジンでサブコンとフルコンの両方でセッティングを行った場合、フルコンのほうがパワーやトルクの値が大きくなるというワケです。



さて、ここまで読んで気が付かれた人も多いと思いますが、サブコンもフルコンもそれ単体ではフルカバー出来ません。
どちらも速度リミッター対策にはフラッシュエディターを使う必要がありますし、可変バルタイなどの制御の変更にもフラッシュエディターが必須です。
( リミッター解除だけなら HKS製 VAC を使うのも有りですが、これ単体で¥46,200- なのでフラッシュエディターを買ったほうが得策でしょう )

より複雑化した近年の車両には ECU チューニングが必須ですが、そのチューニング方法も年々複雑化しています。
あまり複雑な事を考えずに気軽さ重視であれば、まずはフラッシュエディターがお薦め。

さらにその先の性能を求めるならば、「 F-con iS ( サブコン ) + フラッシュエディター 」 が良いでしょう。
サブコンならば程よく純正 ECU の利点を残しながらの本格 ECU チューニングが味わえます。

とことんパワーとトルクを追求する、または、純正 ECU の余計なところを排除したいならば 「 F-con V-pro ( フルコン ) + フラッシュエディター 」 の導入ですね。
フルコンならではの制御により、ホントのパワー&トルクを引き出せて、純正 ECU とは異なるパワー効率重視の自己学習が可能になります。



備考

記事掲載日 : 2020/06/05